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ビジネス敬語について

中部大学教授 PICK UP特別顧問

深谷圭助先生の教育コラムです。

 

TBSの某教養番組で、ビジネス敬語の「了解しました」ではなく、「承知しました」を使いましょうと言いますが、それは本当ですか?という問い合わせが、番組制作会社のディレクターさんからありました。

 

「了解」と「承知」について、明治以降の、書籍と雑誌の中でどの程度使用されているかを、国立国会図書館デジタルアーカイブでOCRを用いて解析し、どの程度の頻度で「了解」と「承知」が出現しているのかを調べました。

すると、圧倒的に「承知」ということばが使われていることがわかりました。

そして、「了解」という言葉は、軍隊やパイロット、電車運転手などが、応答の際に使用した言葉でした。

これに対して、「承知」は、謙譲語として伝統的に使われている言葉です。

「承知しました」という言葉遣いの方が、ビジネスには適していると考えられてきたのではないか。

なお、「了解」ではなく「承知」を使うべきだと言われるようになったのは、2013年ごろからで、ちょうど、スマートフォンが普及した時期に重なります。

おそらく、ビジネスの文章によるやり取りをスマートフォンで行うことが増え、了解ではなく、承知の方がへりくだる表現として、ビジネスマナーの書籍に盛んに書かれるようになったのではないかと思われます。

実際には、「了解」でも「承知」でも日本語としては間違ってはいないのです。

 

了解という言葉は、短く端的に伝達する上において、便利だとする特定の職業の人々がいて、そうした職業の人々について取り扱ったドラマなどにより、一般に広まった「了解」そして、「了解」よりも「承知」の方が適当であるとするビジネスマナーの登場と浸透。

この辺りが、前掲の疑問となったのでしょうね。

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